「今までどこに行っていたんですか?」
落ち着き、ソファーに腰掛けた所で問いかけた。
翔さんは一瞬戸惑った様子を見せた。
しかし、すぐに私を見つめて口を開く。
「俺がいじめていた“小林”の墓の場所を探してた」
私も翔さんをしっかり見つめる。
もう二度と目を逸らさない。
「俺は怖くて小林の葬式に出られなかった。小林の家族はすぐに引っ越して行って、俺は墓の場所も知らなくて、あいつに謝れてない。お前と出会って、ちゃんと謝らなきゃいけないと思った」
真剣に話す翔さんの瞳にもう戸惑いは無かった。
だから私も……。

