ドアの前に立っていたのは、紛れも無く翔さんだった。 「お前、何で……!?」 私がここにいることに驚いているみたい。 「翔さんのこと、待ってたんです……」 あまり力の入らない笑みを見せると、翔さんが早足で私の所まで歩いてくる。 そして……。 抱きしめられた……。 力強く。 でも、優しい抱擁。 「バカだな……俺から離れて正解だったのに……」 私の肩に額を乗せる翔さんの吐息が鎖骨にかかる。