「ねー、美樹はさー、彼氏くんが嫉妬してるのとか見たことある?」
「しゃっ、ナイッシュー!」
シュパっと軽快な音をたて、ボールはリングへ吸い込まれていった
今はバスケの時間。
となりには、となりのクラスのみっちゃん
「…で、なんだっけ」
「だーかーらー、嫉妬!嫉妬してるのとか見たことあるって話!」
「やー、ないっすわー」
バスケットボールを人差し指の上で回しながらみっちゃんは聞いてきた
それを視界のすみにとらえつつ、Aコートで同じくバスケをやっている雅に目を向けた
捲ってる服の袖からみえる、日焼けした腕
あの腕にぎゅってしてもらってるのかとか考えたら体温が二度ほど上昇した
「嫉妬してほしい?」
「え、あー…、んー」
「よし。そうとなったら」
「は、えちょっと待っ」
楽しみだーとかいいながらみっちゃんが打ったシュートは軽快な音をたててはいった
みっちゃんの目は妖しく光っている
(やばいな、こりゃ)
「――っていう作戦でいこう」
みっちゃんの作戦はとても単純で且つあり得ないものだった。
今日の帰りに「あたし今日告白された」と言えということ。
それで、雅がどういった反応をするか。
いやいやいや、嫉妬関係ないですよねこれ。まぁ、たしかに焦ってほしいけれど…!
あの雅が、焦るなんてありえない。
「じゃ、報告待ってるね。」
ポンポンとあたしの肩をたたき、試合があるらしく、クラスメートの元へ行った

