あたたかい腕に包まれた瞬間、さらに涙が溢れた。
涙は彼のワイシャツを濡らす。
ぎゅうっと背中に腕をまわしたら、さらに強く抱きしめられた。

「これから…、進路とか、決まらなかったら、……どうしよう」

「俺と一緒の大学に行こう。」

「へ」
「それで、少しずつゆっくり、やりたいこと見つけて。卒業して、一緒に暮らそうよ。」

やりたいことなくてもいいよ。
希美のやりたいことは、俺と一緒に暮らして、専業主婦になることでいいよ。

笑い混じりにいう君は、嬉しそうに目を細めた。

「うー」
「泣くなよー」


――だって、そんなの最高の夢じゃないか
そんな最高の夢、叶えるために頑張るしかないじゃない。
未来の私に、私たちに会えるのが楽しみで仕方ないよ。

「いっしょにがんばろうね。」
「うん…!」

一番大切で大好きな君の夢はなにかな。
その夢を叶えようと頑張る君のそばに
いつだって私がいるといいな。

そんなことを思いながら彼をみたら、嬉しそうに笑ってた。








dreamer
(いったいどんな大人になるかな)