「あ、なんかシャンプーの匂いするね」
「あたしがー?」
「うん、いい匂いする」
あなたは優しい匂いがしますよ。優しい、あたしの大好きな君の匂い。
そう呟いたら、頭を叩かれた。
「素直になっていってみたのに…!」
「ばーかー!」
顔を赤くして、柔らかく笑った。
その笑顔をみて、今度はあたしが顔を赤くした。
「顔赤いよ」
「ん、風邪。夏風邪」
「もう夏終わるよ」
あたしの頬に手を添え、ゆっくり近づいてくる顔。
―触れたのかさえ曖昧なキス。それでも、あたしの体温を上昇させるには十分だ。
さらに耳元で、呟かれた言葉に鼓動をはやめた
「や、心臓おかしいー!」
「ふはっ……あー、やば」
肩をおされ、視界がぐわんと揺れた。
彼の肩越しに天井が見える
「顔真っ赤ー!…可愛い」
「わ、わけわから……っん」
だんだん深くなるキス。
唇がはなれ、顔を赤くしているあたしをみて嬉しそうに笑った
「な、なんすか…!」
「ん?可愛いなーって。かまってほしいんだよね?今日はいっぱいかまってあげるね」
「(わー、余計なこといっちゃった…)」
真剣な君と、わいてくる思い
(…俺だって男なんだよ)

