「や、まっ…」
「無理。待てないよ」

柔らかい光が差し込む午後。
眠くなったあたしたちは、二人ならんで寝転がっていた

右隣をむくと、かわいい寝顔があって。気づいたら唇を重ねていた
…まあ、起きてたらしいんだけどさ

あたしの前には彼の整った顔。その後ろには白い天井

「顔…、真っ赤」
ふわりとあたしの大好きな顔で笑った。心臓はドキドキと鼓動を早める
大きな手で、あたしの頬を撫でた。
恥ずかしくてぎゅっと目をつぶっていると、長い綺麗な指がそこへ触れた

「ちょ…、心臓が…!」
「ふはっ」

目があうと、ゆっくりと近づいてくる顔。鼻と鼻がかすかにぶつかった

「…っん」

唇が重なっては、はなれてを繰り返す。
それがなぜかもどかしい

「心臓っ」
「やばい?」
「心臓やばい、です」

鎖骨、耳、頬にキスがふってきた。
彼はあたしの反応を楽しんでいるように微笑んだ

「…う……」
「キス、したい。していい?」

頷く間もなく、深く唇が重なった。ついばむように何度も何度も。
コツンと額がくっついて。彼の息が口にかかる。

「可愛い。…ね、キスしてよ」
「…っ…」

その目に操られるかのように唇を重ねてた
―あぁ、やっぱり君には敵いません







君には敵いません
(けっきょくあたしは君の手のひらの上だ)