すきなものは、ゲームとギター

「おぉ…っ!なんと、新しいキーブレードが…!」
「……」
「ヤベー!だって攻撃力が4もアップした!」
「……」

土曜日の午前。今日は雨のせいで朝7時に起きてしまった
まあ、彼と遊ぶ約束をしてるってこともあったけど。

こんな雨の日は、ゲームをするに限る。

「わっ」

らすボスをあと一撃!というところで後ろから腕をひかれ、背中に温もりを感じた。お腹に腕がまわる

「…あ、あのらすボス…!」
「いいよ、倒して」
「…お、たおせたー!やった」

おめでとうと後ろからあたしの首筋に顔を埋めた
顔の温度が、体温が上昇していく

「や、あの」
「ん…、眠い」
「膝、枕します…?」
「…うん」

腕をほどき、向きをかえると膝に重みを感じた
(くすぐったいなー)
重みを感じてすぐ、安心しきったように寝息が聞こえてきた

「睫毛ながいなー」

寝ている彼の頭を撫でる。(これだけで心臓はばくばくだ)
どんな夢をみているのかな。夢にあたしはでてきているかな。
起きたらきいてみよう。

―外の雨は、いつしかやんでいた。
雲間から光が差し込んで、窓を柔らかく照らした

君の寝顔をみてるだけで、あたたかい気持ちになるよ。
なんて言ったら、バーカって言われるかな。
それとも優しく頭を撫でてくれるかな。

「またボスきたー…!」


すきなものはゲームとギター。
…大好きなものは優しい君。






すきなもの