オレンジフラワー


「告白されてたら、どうしようとか思った…」
「え」
「…焦った。心臓に悪い嘘つかないでよ」
「ううー…!焦らせたかったんだよー!頑張って嘘ついてたのに…!」
「?焦らせたかったの?」
「だってヤキモチとか妬かないと思って」
「ばか」

首にまわった腕が緩みふと顔をあげると、雅は拗ねた顔をしていた

「男子に、プリント渡してるだけで嫉妬してるし」
「…っ…」
「ヤキモチくらい妬くもん」

わしゃわしゃと頭を撫でられた。頬の温度は上昇する
きっと今、ありえないくらい真っ赤だ

「ダメだよ」
「?」
「美樹、俺のだもん」

そうつぶやいて歩き出す君を追いかける
――まだ少し寒い春。もうすぐ夏がやってくるよ

急いで追いついて、いつもどおりに君の左手を握る

「あ」
「ん?……っ」
「嘘ついたからね。…美樹顔真っ赤ー!」

一瞬重なった唇。ふはっと笑うきみ。

みっちゃんや、作戦は失敗に終わったようだよ
だって、焦らせるどころか余裕の笑みを浮かべてるんだもん

まー、でも、嬉しいこときけたからいいや。

「あ!飛行機雲」
「あ、ほんとだ。」

こんどは、どうやって焦らせようかな










試行錯誤
(…まじ、美樹に告るやつとかいなくなれ)