君に贈る

そう言って奥に入ってく雅喜


私は店を見渡した


何も変わってない


変わったのは、裕がいないこと


思い出すと笑みが零れる


じんわり目も熱い


楽しかったなぁ


来世でも必ず会えるよね





「はい、沙菜」


「ありがとう」


「何かあったか?」


「え?」


「泣きそう」


「ううん、裕のこと思い出してた」


私は笑顔で言ったけど


雅喜の目も赤くなった


「ごめん」


「謝るなよ。マジ泣けてくるから」


「うん」


雅喜と裕はいつも一緒だったもんね


私以上に裕との思い出があるから


ごめんね


二人の間に沈黙が続く


私はカクテルを飲みながら思い返していた


裕との思い出を