君に贈る

「沙菜「大丈夫だってば」


思わず琉生の手を振り払ってしまった


「っ‥ごめ‥ちょっと出てくる」


私はエプロンを取り携帯と財布だけ持って家を出た


はぁ‥


“聞いてみろよ、本当だから”


琉生が‥?


有り得ないよ


だって今日なんて警察に被害届出しに行ったくらいなんだから


そうだよ


“やめとけよ、あんな奴”


どうして尚吾はそう思ったんだろ


まさか尚吾の元カノに手を出してるとこ見たとか?


そんなことない


琉生に限ってそんなこと


私は頭を横に振った


でももしそうだとしたら‥


警察に行ったフリして二人で‥


ダメダメダメ


頭の中はぐちゃぐちゃになった


気付けば愛理の家の前にいた


ピンポーン


「はーい」


ガチャっとドアが開く


「沙菜、どうしたの?こんな時間に珍しいね」


「愛理‥」


「何?何かあった?」