君に贈る

私は思い出して、笑った


「何?」


「最近うまくいかなかった男友達と仲直りっていうか」


うまく説明できない


「そっか」


琉生は優しく笑った


「でもね、愛理と喧嘩しちゃって‥って言っても私が悪いんだけど‥」


「何があった?」


「‥」


「おいで」


琉生は手招きをする


私は琉生のそばに寄った


カウンターのイスに座らせられる


「最近、悟が私にしつこいの、愛理が‥」


「…それで?」


「多分、琉生の元カノが来たときも、愛理の提案じゃないかって思うんだ」


「…」


「本人からはっきり聞いたわけじゃないけど、愛理の態度からすると多分‥」


私は語尾になるにつれ声が小さくなる


「じゃあ‥悟が沙菜の両親に会ってたのも‥」


「うん‥私の友達が悟の家を愛理が出入りしてるの見てるし」


「…」


琉生は目を逸らし、何か考えていた


「琉生?」


「沙菜、あまり考え過ぎんなよ」


「うん‥」


琉生は思い立ったように立ち上がった