君に贈る

ラーメンを奢ってくれた男


「さ、次俺んちおいで」


店を出てすぐ言った言葉


結局どの男も同じ


体目当て


私は黙って男に付いて行く


「いくらくれんの」


「ん?」


家の前で私を見る男


「ま、入りなよ」


普通の一軒家


普通の玄関を過ぎ普通のリビング


「座って」


そう言ってキッチンへ行く男


私はソファに座った


部屋を見渡すが、ほとんど物がない


テーブルがあってソファがあってテレビがあるだけ


シンプルすぎる


「はい」


そう言ってコーヒーを出してくれた


私は黙って受け取り一口飲んだ


「あちっ」


「ははっそんな慌てなくても」


男は斜め前に座る


「…」


この男、何考えてんだろ


ま、どうでもいいけど