君に贈る

愛理SIDE


裕のバーを出てムシャクシャする私はネオンが輝く街にいた


ベンチに座ってりゃ声かけられる


「君、いくら?」


「100万」


そう言うと男は首を傾げ歩いて行く


何で私だけこんな思いしなきゃいけないの


私の何がいけないの


好きな人を手に入れたいのはみんな同じでしょ?


「ねぇ、君自分失ってる?」


顔を上げるとスーツを着たさわやか系


「おいで。俺が助けてあげる」


「ど‥どうやってよ」


タジタジながら睨んでみる


「んー。取り敢えず、メシ行こう」


「っ‥は?」


「いいから」


そう言って私の手を引く男


それなりにかっこいいけど、何コイツ


ヤバい感じ?


ううん、そんな感じしない


何?


コイツ


着いた場所は古びたラーメン屋


「いらっしゃい」


「豚骨ひとつ~」


「はいよ」