君に贈る

「人の幸せを考えられない愛理に、裕を幸せにできるわけない」


「何様なの?ほっといてよ!沙菜に何がわかるの?」


「愛理の考えてることなんて誰がわかるの?」


「っ」


「人としておかしいよ。そんなの、本当の愛じゃない」


愛理はグラスを床にぶちまけた


ガシャンと大きな音をたてて、グラスは割れた


「沙菜!大丈夫か?」


「うん」


裕は私の前に立ち愛理を見た


「愛理、見損なったぞ」


愛理は悔しそうな顔をして出て行った


「裕‥」


「ん?」


「私いい過ぎちゃった」


裕はそっと私を抱きしめた


「ありがとう」


「っ‥え?」


「沙菜は正しいよ」


本当に?


でも愛理の気持ち聞かずにあんなこと‥


裕を苦しめてほしくなかったから‥


ついムキになっちゃった


「俺間違ってた」


そっと離れ私を見つめる裕は優しい顔をしていた


「相手を想うより、想われた方が幸せだと思ってた。でも全然幸せじゃなかったんだ」


「裕‥」