ガルドラ龍神伝―外伝章―

リタに急なことを言われ、ヨゼフははにかむ。


「な、何改まってんのさ。


あんたを助けたのは、当然のことだよ。


僕達は同志で、友達だろう?」


ヨゼフの言葉を聞き、リタは相変わらず彼は可愛くないな、と思った。


ヨゼフは、優しい目でリタを見ながら、話し始める。


「そういばさっき、あんたは毒状態のままベッドで魘されてたけど、あれは何なの?」


彼の唐突な質問に、リタは鬣を撫でながら答える。


「ああ、あれ?


あれはね、夢の中で、誰かの影を見たんだ」


そう言った後の彼女の表情は、真っ赤だった。


ヨゼフは尚も、質問を続ける。


「影? それは誰なの?」


「さあ……。


私もはっきりとはわからないんだけど、多分あの影の正体は、父上だ」


それを聞いた時、ヨゼフは目を丸くした。


「ランディー陛下が?


でもあんたは、確かに言ってただろう。


陛下の消息はわからないって」


「ああ、言ったよ。


だけど、あれが夢のお告げだとしたら、父上はどこかの闘技場にいる。


私にはわかるよ」


「それで、ランディー陛下は、夢の中でなんて言ったの?」


「『砂と水と葉の……を手に入れ、闘技場に向かえ。


私は、闘技場の奥でお前を待っている』って、言ってた。


私はアイテムを手に入れて来い、という意味じゃないかと思うんだけど」


リタは夢の暗示の内容を、長々とヨゼフ達に話した。