「ところで、ここでプリシラっていう名前の水龍族の女の子を見なかった?」


ヨゼフが質問すると、ミリフは首を横に振った。


「そうか……」


「君もさっきの砂龍族の女の子みたいに、ガルドラから来たのか?」


ミリフの質問に対し、ヨゼフは首を縦に振った。


彼はミリフに詳細を伝えようとしたが、講師が他の生徒の邪魔になると言う。


仕方がないので二人は、グラナダがいる列に戻った。


ヨゼフは、その列の中にいるリタを発見し、目を丸くする。


「リタ! なんであんたが、ここにいるんだ? お父様やジオ様は、どうしたの?」


ヨゼフは無神経かもしれないと思いながらも、リタに質問した。


リタは詳細を説明する。


「ジオは、怪しい男の子に封印された。


父上の消息については、わからないんだ。


私はあの男の子の仲間に、いきなり押し倒されて、何かを飲まされて……。


その隙に封印された」


「そして、そこの黒髪の人間に助けられた」


「そうさ。うっ……」


リタはある程度話すと、倒れかけた。


それをヨゼフが支えた。


リタは苦しそうに息をしている。


「これは毒だな。


かなり、充満してる」


ヨゼフは医者のように言った。


グラナダとミリフも、リタを支える。


丁度良い具合に講義が終わり、三人は魔族治療室にリタを連れて行った。