そして
俺の葬式が始まった

葬式でも泣く母さん
泣きじゃくる弟
普段は表情を顔に出さない父さんも顔は少し泣きそうだった

それから
親戚のおばさん、おじさん、はとこ、いとこ..色んな人が涙を流してくれた

なんか、こうして意識はあるのに...自分の葬式って複雑だな..

隣に座っていたおばさん達は
「まだ..若いのに..」
と口々にそろえて言う

そうだ..俺はまだ中学生...
部活だって進路だって...まだやり残しているものはたくさん

そう思っていると、入り口からある1人の子が走ってきた

「..ハァ..ハァ.光..」

こんな遠くまできっと学校も休んできてくれたんだろう...

それは紛れも泣く柚だった...

柚にはきてほしくなかった...俺が死んだなんて知ったらきっとあいつ..

悲しむ..

柚は俺の遺影を見るなり「..光..本当に死んじゃったの..? ねぇ..」と
涙を流した
柚の顔は..寂しそうな..悲しそうな..顔だった

そして、柚は母さんのもとへいった

母さんは柚を見るなり、腫れぼったい顔で柚にこういった

「あんたが...あんたがあの子を殺したのよ...!」
母さんは怒りに満ち溢れるような顔をしていた

「...」

柚は何も言わず、走って出て行った

「柚...」

葬式の後、俺は火葬された...

これで.......

ごめん..俺が死んだせいで...俺...

柚のこと幸せにしてあげられなくて...ごめん

あーぁ、死ぬんだったら遺書とかあのプレゼントもきっと用意してあったのにな..

つくづく神って不公平だよな

そんなことを思いながら、俺は眠るように眠るように天へ舞い上がった


「柚...幸せになれよ...」