「...っ..」
やばい、ぶたれる
とそう思ったとき...



頭の上には温かいぬくもりが感じられた



顔を上げると、そこには心配そうな顔とは裏腹に
太陽のような笑顔の蓮がいた



「..遥、俺にはよく分からないけれど彼氏彼女っていうのはお互い支えあって生きていくもんがねぇの?
 俺、バカだからあんましうまいこといえねぇけど...
辛いんだったらもっと俺を頼れよ....
甘えろよ...辛いんだよ、こっちが....

 無理に笑顔つくって悩み全部胸の底に秘めてさ......正直裏切られた気分」

そういい、蓮は不機嫌な顔をした

そして私が何も言わないということを悟ったのかその顔のままカラオケボックスから去っていった


―――バタン

ドアが閉まる...

「....蓮」

私..蓮にも柚にもそんな思いさせてたのかな

私って...

でも、こんなの私らしくない
蓮に..相談していいかな...
甘えていいのかな...

考えとは真逆に体は中々蓮の方へ行こうとしなかった


ヘンなプライド?

そんなもんじゃない

ポリシー...かな

でも、ここでそのポリシー捨てなきゃもっと大切なもの逃がしてしまうことになる

「...私..頑張るからね」
カラオケボックスには人はいないのに周りからは歓声が聞こえたように思えた

「よっしゃ、いくぞ遥!」
そう自分に言い聞かせ
私はカラオケボックスから出て行った



―――そう..彼氏..蓮に会うために