あの出逢いから
俺はだんだん琉禾に惹かれていったんだ。


だから、アイツの病気や余命を聞かされた時


俺はショックを隠しきれなかった。


それでもアイツを不安にさせたくなくて


“そんなのかんけーねぇよ”って言って笑って、なんとかその日はやり過ごした。


今思えばあの時俺の笑った顔はぎこちなかったと思う。


ほんとはどうしたら良いか分かんなくて、正直今まで通りにできるか分かんなかった。


また大切な奴を失ってしまうと思ったら


心の底から恐怖心が滲み出て震えが止まらなかった。


普段周りからの俺は
バカで自己中で我が儘だって思われてるこの俺が

たった一人の女に、
まして最近出逢ったばっかの女を失いたくなくて震えてるなんて、周りの奴らが見たらどう思うんだろうって、あの時の俺は変なことを考えてた。

いや...そんなことでも考えていないと俺の“何か”が壊れてしまいそうだったんだ。