それに。

「丹下は太極拳の意味が分かっていないのだな」

龍娘は薄く笑む。

「来い。少し教えてやろう」

「あ?」

訝しげな顔をする龍太郎。

来いと言うものの、龍娘は構えすら取っていない。

「私がお前如き相手するのに構えると思うか?」

もう一度笑みを浮かべる龍娘。

今度は侮蔑の色を湛えた笑みだ。

「身の程を知れ。お前が私に構えさせるなど、億万年早いわ」