「龍太郎!」

ちょうどグラウンドで体育の授業中だった雛菊。

この寒空の下に長袖ジャージの上と太股も露わにしたブルマ姿の彼女は、見るも無惨な弟の姿に驚いて駆け寄る。

右目には白い眼帯、頭には包帯、やっと骨が付きかけていた左腕はまた三角帯で吊るされ、顔中に腫れや擦り傷があった。

右足を痛めているのか引き摺るように歩き、制服の下も包帯だらけなのが胸元から覗いて見えた。