「だけどよ、老師…」

反論しようとする龍太郎を。

「口答えするなら弟子入りの話はここで終わりだ」

龍娘は即座に背を向ける。

「私の指導に従わないのならば、私からはもう何も教えん。去れ」

『何も教えない。見て覚えろ』

弟子入りの日にそう言った割には、龍娘は修行にやたらと口出ししてくる。

何だかんだで老師としての役目を気に入っているのだろう。

そんな彼女が命じたのは、太極拳のみだった。