「何食わぬ顔をしてのんびり用務員やっちゃあいるが、アンタは只者じゃないと思ってたぜ、小岩井さんよぉ…」

両手をハンドポケットのまま、一歩二歩と歩み出る龍太郎。

「…修行はよろしいのですか?…龍娘先生に弟子入りしたと聞きましたが…」

肩越しに見る小岩井に。

「その修行の成果をよ…アンタに見てもらいてぇ…未知の実力者のアンタにな…」

龍太郎はポケットから手を出し、ギチッと拳を握り締めた。