「西浦ー今日あいてる?」
「今日?特に何もないけど」
突然、綾部くんがそんなことを聞いてきた。
「じゃあ決まり!放課後教室で待ってろよ」
「えっ?ちょっ…」
そう言って去っていった綾部くん。
実は綾部くんとは、サマーキャンプ以来少しだけ仲良くなったんだ。
っていっても、教室で話すくらいの仲だけど。
でも、今まで全然話したことなかったから、それに比べたら全然話すようになった。
「綾部…何かしら」
「デートのお誘い…だったりしてな」
「は?んなわけねぇだろ」
お弁当を食べながらニヤニヤしてる美保と小林くん。
その隣でコーヒーを飲む宇野くん。
最近はずっと、このメンバーでお弁当を食べている。
本当は美保と2人がいいけど…美保が小林くんとも食べたいっていうから。
それに、前より宇野くんのこと、嫌いじゃないのも事実。
「サマーキャンプのとき、2人でいたらしいじゃない?」
「な、なんで知って…!?」
「私の情報網なめないでよね」
宇野くん、前はどうしてこんな嫌がらせしてくるんだろうって思ってた。
私のこと嫌いなら、関わらなきゃいいのにって。
でもだんだん嫌がらせなのかなんなのか、よくわからなくなってきちゃった。

