「お母さん本当すみません!!俺、甘いもの食べられなくて。あ、でも果物は食えるんで、こっちいただきます」
やっぱり。
甘いもの嫌いなくせに、ようかん食べられるなんて変だと思った。
「あら、そうだったの。じゃあ杏とは正反対ね。この子、甘いものが大好きなのよ」
「あ、ミルク!おいでー」
リビングにやってきた愛犬のミルク。
私が中学に上がったときに買ってもらった茶色のトイプードル。
私は1人っ子だから、家での遊び相手はいつもミルクなの。
「杏ちゃんちの犬?」
「そう。可愛いでしょ?」
「触らしてー」
宇野くんとミルクはすぐに仲良くなっていた。
あとで聞いた話だけど、宇野くんも犬が好きなんだって。
ママと宇野くんは、そのあとずっといろんな話をしていた。
っていっても、ほとんどが世間話だったけど…
「ねぇねぇ宇野くん、杏と付き合ってるの?」
「えっ…」
は!?ちょ、ママ何聞いてるの!?
宇野くんも苦笑いしてるし!!
「杏ったら、昔から男の子なんて嫌いって言って、好きな人もできたことないのよ?」
「ママ、もういいから」
「2人で仲良く歩いてたし、てっきり付き合ってるのかと思ったわ」

