「杏ちゃん!おっはよ!」
「いった…」
嫌がらせの手紙をもらって、その次の日。
朝から見たくない顔に遭遇してしまった。
今日は厄日。絶対そう。
「うそ、痛かった?ごめん」
挨拶のつもりなのか、昇降口で靴を履き替える私の肩を思いっきりたたく宇野くん。
痛い。はっきり言って。
「どうしてついてくるの?」
「だって俺の教室、こっちだもん」
残念なことにA組とB組は隣同士の教室。
つまりは、教室につくまで一緒ということ。
「ねえ、今日昼飯一緒に食べよ?」
「…は?」
宇野くんのまさかすぎる発言に、さすがの私も呆れ顔。
何なの、この人。
「俺、A組行くし」
「悪いけど」
教室の扉を開けながら言う。
信じらんない。
昨日、あんな手紙渡してきて、よくお昼誘えるよね
「私、あなたと関わる気、ないの。じゃ」
そう言い残して、教室の扉を閉めた。
朝から何なの、一体。

