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「で、どこ行きたいの?」
「あれ、付き合ってくれんの?」
お昼ごはんを食べ終えた私たちは、とりあえずお店の外に出た…んだけど。
「ち、ちがっ!もー1人で行って!バイバイ!」
「あっ、ちょっと杏ちゃん待ってよー」
「あら、杏?」
「へ?」
宇野くんから逃げるように早歩きで歩いていたそのとき、かけられた声。
…って!!
「ママ!!」
「ママ!?えっお母さん!?」
買い物中のママに遭遇してしまった。
嘘でしょ…なんでこんなときに。
「何してるの?こんなところで」
「別に…ただぶらぶらしてただけだよ」
早く退散してくれママ!
絶対ロクなこと言わないんだから!
目の前のママはニコニコしながら宇野くんを見てる。
これはきっと“紹介しろや”の目だ。
うん、そうだ。
「あ、えと、私のママ。で、こっちが…宇野くん」
「どうもこんにちはー。杏の母です」

