「杏の元カレよ」
「なっ!違うでしょ!」
美保は舌をペロっと出してごめ~ん☆なんて笑ってる。
絶対誤る気ないでしょ。
「私たちが小学生のときの友達。まあ、転勤で北海道に行っちゃったんだけど」
「杏とすごく仲良かったのよ」
圭介くん、懐かしいなあ。
小学生のときは手紙とか送ってたけど、中学生になってからは全然送ってないや。
「好きだったの?その人のこと」
「え?私が?」
宇野くんの一言で、みんなが私を見る。
なにこの空気。
「そんなわけないじゃん」
「でも、圭介くんは杏のこと好きだったのよね」
「「えっ!?」」
なんでか宇野くんと私の声がかぶる。
いや、なんで宇野くんが驚いてるのよ。
「そ、そうなの?」
「そうよ~。だって転校する前に私、告白したんだもの」
「えぇ!?!?」
私でさえ知らない事実に、大声をあげる。
嘘でしょ!?
美保、圭介くんのこと好きだったの!?

