「もうすぐ夏休みだね」
「杏、今年は遊べないから」
「はっ!?なんで!?」
うふ、なんて笑いながら小林くんと腕を組む美保。
いや、ここ店内だから。
「だって今年は司と過ごすんだもん」
「で、でも1日くらい遊んでよ!?」
1日も遊んでくれないなんて悲しすぎる!!
去年なんてほとんど毎日一緒にいたのに!
「いいじゃん。宇野がいるんだし」
「はっ!?やだよ」
「ひでえ」
こんなときでも小林くんはニコニコ笑ってる。
本当に天然だよなあ。
何か言ってやってよ。
毎日小林くんと遊ぶ気でいるよ、美保ってば。
「西浦さんって今まで誰とも付き合ったことないの?」
まさかの小林くんからの質問にびくっとなる。
まさか、小林くんにそんなこと聞かれるなんて思ってもみなかった。
私が恋愛興味ないってこと、結構知れ渡ってるらしいんだけど、小林くんも知ってたんだね。
なんで知れ渡ってるのか、謎なんだけどさ。
「ないよ。彼氏なんていらないし」

