私と宇野くんの微妙な空気を察してくれたのか、美保と小林くんがそう言った。
気をつかってくれてるのはありがたいけど、今はいい。
そういう気分でもないし。
2人の邪魔しちゃ悪いし。
「私はいいや。みんなで行ってきて」
「俺もいい」
なんだ…宇野くんも行かないのか。
美保と小林くんはしぶしぶ2人で海に入っていった。
私は砂浜に腰を下ろす。
「なっ…どうして隣に座るのよ!?」
「ダメなの?」
どうしてか隣に座ってくる宇野くん。
なんだか知らないけど、怒ってるんじゃないの!?
「近くにいないと、杏ちゃんまた浮気するから」
…はあ?浮気?
何よそれ。
私が1度浮気してるみたいな言い方じゃん!
「浮気なんてしてない」
っていうか、誰とも付き合ってないのにどうやって浮気するのよ!?
「したよ。A組のなんとかって奴と」
なんとかって…もしかしてさっき少年Bが言ってたこと?
あんなの、ただ話してただけじゃん。

