「おーこわ。本当にマジだな」
「うっせーな。わかったらとっととどっか行けよ」
はいはい、なんて言いながら退散していく少年Aとその仲間たち。
そのとき、何かを忘れたのか1人の男の子が戻ってきた。
「なんだよ」
少年Bにむかってダルそうに聞く宇野くん。
でも少年Bはそんな宇野くんの態度に目もくれず、少し興奮気味にこう言った。
「昨日の夜、西浦さんとA組の綾部が一緒にいたって聞いたんだけど!」
「…え?」
少年Bと宇野くんの視線がこちらに向く。
え…なんでそれ…
しかも聞いたって、誰に?
「…男といたんだ?」
「へ?」
小さく呟く宇野くん。
男と、って。
そりゃ、綾部くんは男の子だけども。
「…俺との約束すっぽかして、男といたんだ?」
「…はあ?」
“俺との約束”って…
何か約束したっけ?
っていうか、“男といた”って言い方、なんか嫌なんだけど…

