好きな人が、できました。



「ま、いーや。はやく入れてよ」



ちらっと宇野くんを見ると、本当に少し機嫌が悪そうだった


もう…めんどくさいなあ…



「はいはい…入れば」



私は部屋のドアを開けて宇野くんを中に入れた


部屋にはまだ誰も帰ってきてなかった


美保…結構遅いなあ…



「何この部屋…暑いよー」



さっきまで誰もいなかったこの部屋はとてもムシムシしていて、急いでクーラーをつけた



「杏ちゃん喉渇いた」



そんなこと言われても…


ここには飲み物なんてないし…


唯一あるのは今私が手に持ってるミルクティーだけ



「買ってくれば?」

「それちょうだいよ」



は?ちょっ…


もう少しぬるくなっているミルクティーを私の手から奪いとって、一気にゴクゴクと飲み干した。


あーあ、私のミルクティーが…



「甘っ…」



宇野くんはゴミ箱目掛けて、乱暴に飲み終えたミルクティーの缶を投げ入れた