あ、綾部くん?
なんだあ、てっきり宇野くんかと思っちゃったよ
私はドアを開けた
「なんだ、いるじゃん」
「ごめん、他の人と勘違いしてた。どうしたの?」
「あー、ちょっと出れる?」
綾部くんに呼び出された私は、ただいまホテルの中庭。
芝生の周りに花壇がある、とてもきれいなところ。
私達は近くにあったベンチに座った
「西浦って居留守とか使うんだな」
綾部くんはハハッと笑いながら言った
だって宇野くんだと思ったんだもん…
宇野くん、めんどくさいし…
「話ってなに?」
「ん?まあそうせかすなって」
別にせかしてるつもりないけど…
なんかやだな、この緊張感…
さっきから綾部くん、いつもと雰囲気違うし…
それに、綾部くんが私に用事って何だろ?
普段、あんまり話したりしないのに…
「今日のご飯、おいしかったね」
「え?ああ…そうだな」

