美保の大食いはこんなところまで知れ渡っているのか…


隣の美保は苦笑い。



「まあーとにかく、宇野は絶対杏に気があるんだよ」

「絶対違うって。もう、このこと忘れようよ」



せっかくサマーキャンプに来たんだし。


宇野くんのこと考えてると、気分も落ちてくるんだよねぇ。


夕方、私は美保と部屋に行って荷物を片付けたあと、外に向かった。


私は美保とあと2人クラスの人と同じ部屋。


ホテルの出入り口のところで、会いたくない人に会ってしまった…



「杏ちゃん!こんなにすぐ会えると思わなかったよー」



その人は私を見るなり笑顔で手を振ってくる


はぁ…と大袈裟なくらい大きなため息をついて、私は宇野くんの横を通りすぎた



「ちょっと無視すんのー?ひどくねぇ?」



ひどいもなにも、勝手にあなたが話してるだけじゃん…


私は何も、話すことないから!