「隼斗から聞いたのよ」
隼斗…って、宇野くんのお兄さんだよね?
「西浦さんっていう女の子が、家に来たって。1週間くらい前かしら?」
1週間前って…もしかして、あの日?
私が、初めて宇野くんちに行った…
「春斗が女の子を家にあげるなんて、初めてよ」
初めて?
でも、あの女の子は?
普通に、家に入ってきてたよね?
「あの、女の子がいたと思うんですけど。確か、奈緒さんっていう…」
「ああ~」
私は、いつのまにか宇野母が出してくれた紅茶を見つめて言った。
なんとなく、あの日のことはあんまり思い出したくなかった。
普通に入ってきてたってことは、何回も来てるってことでしょ?
やっぱり、彼女なのかな…

