好きな人が、できました。



…もしかして。


私は宇野母に手を引っ張られて、ソファに座った。


宇野母は、私の向かいに座る。



「あの、もしかしてそれって…」



もしかして、奈緒さんのこと…なのかな?


私が聞いたことあるのは、そのくらい…



「ねえ、あなたもしかして西浦さん?」

「え?」



私の話を遮って、宇野母は微笑む。


ていうか、どうして私の名前を?


私、まだ自己紹介してない…よね?



「あ、違ってたらごめんなさいね」

「いえ…挨拶が遅くなってすみません。西浦杏といいます」

「やっぱり」



フフフなんて笑いながら立ち上がる宇野母。


やっぱり、ってどういうこと?