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「…あ」
うそ。
私、何してた?
気づいたら、なぜか宇野くんの家の前。
手には、冷えピタと果物の入った袋。
あれ? なんで?
行くか行かないか考えながら、歩いてただけなのに。
いつのまに、ここまで歩いちゃってたんだ…
「…どうしよ」
行く? 行かない?
でも、せっかく来たし。
でもやっぱり、迷惑かも。
…あの女の子、来てるかもしれないし。
家の前でウロウロ悩んでいたら、
「…どちら様?」
きれいな女の人に声をかけられた。
誰だろう…?
手には、ネギが飛び出た買い物袋を持っている。
「あの…えと…」
でも、どちら様?って聞くってことは、宇野家の人…だよね、きっと。
…もしかして、お母さん?
でも、それにしては若いよね?

