「行ってきなよ。宇野絶対喜ぶって!」
その自信はどこからでてくるのよ!
喜ぶとか、絶対ないし。
「ないない」
「そんなの行ってみなきゃわかんないでしょ!」
「席につけー。授業始めるぞー」
タイミングがいいのか悪いのか、教室に入ってきた担任。
ちっと舌打ちをして、美保は自分の席に戻った。
私は一応教科書は開くけど、全然頭に入ってこない。
「お見舞い、かあ…」
授業が始まったから、とりあえずメールの返事は返さないでいた。
授業も聞かずに、さっきの美保の言葉を頭で繰り返す。
お見舞い、ね。
そんなの行ってもいいのかな。
いきなり来るなよって思わない?
宇野くんつらいのに、元気な私が行ったら「ちっ」って思う気がする…
…だけど。
ちょっと行ってみたい気もする。
別に彼女でもないのに、フルーツとか持っていったりして。
…っていうか、宇野くん彼女いるんじゃん。
あの女の子、きっと付き合ってるんだよね?
それなのに、私なんかが行ったりして迷惑になるだけなんじゃ…?

