「ねえ、本当なの!?」



ちょ、ちょっと待ってよ!


『そうだよ』なんて、簡単に言えるわけない!



「それ聞くために朝からうるさかったのね」



さっきまで黙ってた美保が、ようやく口を開いた。



「当たり前だろ!普通に一大事じゃねぇか!」



そんな、大事でもないと思うんだけど…


とにかく、宇野くんにはこのことは言えないよ。


…そうだ。


話題変えちゃえ!



「そ、そういえばもうすぐバレンタインだね」

「杏、その人にあげるんでしょ?」



話変わってない!!


美保を涙目で見ると、ニヤニヤしてこっちを見ていた。


ひ〜鬼だ鬼!!



「杏ちゃんそうなのか!?」



宇野くん黙ってお願い!


もうどうしよう!!


本人には絶対バレたくない!


だけど、好きな人いるよなんて言ったら、絶対しつこく聞いてくるに決まってるもん!