「…それで?走って逃げてきたの?」
「…うん」
近所の公園のベンチに、私と美保と小林くん。
宇野くんの家からの帰り、何故かずっと走ってた。
自分でもわからないけど、ずっと走ってた。
行き先もわからず、ただただ走り続けて。
そうしたら、たまたま美保の家の前で2人に会って。
さっきあったことを全て話した。
「私、変だよね」
「変って?」
「宇野くんのこと嫌いだったのに、流されて家まで行って」
バカとしか言いようがない。
なんでこんな気持ちなのかもわからない。
「挙句の果てに嫌がらせに傷ついて…バカみたい」
あの日。
文化祭があった日。
あの日から私、変なんだ。
宇野くんの一言にドキドキしたり、クリスマスを一緒に過ごしたりして。
それまで、断固拒否だったのにね。
「本当は、気づいてるんでしょ?」
「え…?」

