「春斗、誰?」

「奈緒に関係ねぇだろ。ほら、早く」



怒っている女の子。


その女の子の腕を引っ張る宇野くん。


もしかして、彼女さん…?


だって、普通に家入ってきてるし、部屋の場所も知ってるし。


お互い名前で呼び合ってるし…


…え、何。


そういうこと…?


なら私、彼女さん怒らせてただの邪魔者じゃん。



「…私、帰るね」

「…え、杏ちゃん?」



…何コレ。


私、バカみたい。


いくらお兄さんも一緒だからって、ノコノコ宇野くんちまで来ちゃって。


部屋にまで居座って、本当バカ。


彼女さんまで怒らせて。



「もともと家来るつもりもなかったし」

「ちょ…杏ちゃ…」