「ミルク行こう」



ミルクを引っ張っても、なかなか動こうとしない。


サッカー部数人は、もうすぐそこまで来ていた。


会いたくないのにー!



「ミルクってば」

「わー!トイプードルだ!」



そのとき。


見つかってしまった、サッカー部の部員の1人に。


その人はミルクのところに駆け寄ってきた。



「触っていいですか?」

「ど、どうぞ…」



なるべく私は下を向いて言った。


もう最悪すぎるよ。


綾部くんとは、文化祭のときからほとんど話してないし。


土屋くんだってそう。


なんとなく気まずくて。


バレないで、お願い!


でも、神様はそんな私の小さな願いも聞いてはくれない。