「寒い…」
雪が降りそうな窓の外。
私たちの学校では、2年生最後の学期が始まっていた。
「ちょっと杏、本当なの?」
「何が?」
ホットミルクティーを手に握り締め、美保に問う。
じつは席替えをして美保とは前後の席ではなくなってしまった。
だけど、こうして今みたいに自習の時間は美保は絶対私の前の席にくる。
その間、本当の前の席の人は席を追い出されて、少しかわいそう。
「サッカー部の新年会行ったの!?」
「な、なんで知ってるの?」
実は話題にされたくなくて、美保にも言ってなかったお正月の出来事。
サッカー部の人にも内緒にしてって言っておいたのに…
「私の情報網なめないでよね」
「だから、誰から聞いたの!?」
確かに美保は何でも知ってるけど…
まさか、このこともバレてたなんて。