「杏ちゃん、好きだよねホント」
「おいしいもん」
「甘すぎだよ」
「宇野くんが変なんだよ」
変と言われてむっとした表情になった宇野くんは、なんだかカワイイ。
「杏!」
「美保と小林くんだ!」
ベンチでくつろいでいたとき。
どこかから聞こえた声に振り向くと、美保と小林くんがこちらに向かって歩きながら手を振っていた。
「何よー2人とも、いい感じじゃない!」
「なっ、いい感じって…」
そういえば私、宇野くんと2人で手繋いで文化祭まわってたんだった。
いつもとは何かが違う。
何だか急に意識してしまい、恥ずかしくなって俯いた。
「宇野、ちゃんとリードしてあげてよね」
「るせー。わかってるっつの」
宇野くんの言葉に、美保と小林くんはクスクス笑ってる。
頬杖をついて、ぷいってしてる宇野くんがなんかおかしくて、私もクスクス笑った。

