「ほらよ」
「は!?何だよこれ!」
「土屋スペシャル」
「お前、1パックにつまようじ1本だろ!?」
土屋くんが手渡してくれたたこ焼きには、6つのたこ焼き1つ1つ全てにつまようじが刺さっていた。
「しるか」
「たこ焼きグサグサじゃねぇか」
つまようじが6本も刺さったとても不恰好なたこ焼きと、あといくつか食べるものを買って中庭に行った。
校舎のほうは人で溢れていたけど、中庭はそうでもなかった。
「冷めないうちに食べよっか」
「本当ボロボロ」
そう言って宇野くんは、たこ焼きを1つ私に手渡してくれた。
「土屋の奴、本当もったいねぇよな」
「食べやすいように気をつかってくれたのかもよ?」
「んなわけねぇだろ」
たこ焼きはあっという間に食べ終わってしまった。
タコが2つ入ってるのがあったから、きっと宇野くんの食べたやつでタコなしがあったはず。

