好きな人が、できました。



_____
___



「おまたせ」



午後になって当番チェンジの時間になった。


午前中がクラスの当番だった私は、午後は自由に遊べる。



「じゃ、いこっか」



教室に迎えに来た宇野くんを見て、何人かの人がひやかしてきたけど、今日はそんなのも気にならない。


本当、どうしちゃったの私。



「どこ行きたい?」

「宇野くんのクラスのたこ焼き食べたい」



私のこの言葉に、ぎゅっと手を繋いで歩きだす宇野くん。


…どうしよ。


いつも手を繋ぐとドキドキするけど、今日はいつも以上にドキドキする。


宇野くんに、聞こえちゃいそうなくらい。



「たこ焼き1つ」

「宇野じゃん。…西浦さんも」



運がいいのか悪いのか、当番をしていたのは土屋くんだった。



「…なに手繋いでんだよ」

「今日は俺の杏ちゃん」



土屋くんは宇野くんと一緒にいる私を見て、少し驚いていたけど、すぐにたこ焼きをパックに詰めてくれた。