好きな人が、できました。



でも、美保はそんな私の一瞬さえも見逃さない。



「何隠してるの?」

「へっ!?」



ニヤニヤしながら聞いてくる美保は、絶対何かたくらんでいる。



「べ、別に何もないよ」

「ふーん?じゃあ、なんであんな嬉しそうに帰ってきたのよ?」



えっ!?



「私、嬉しそうだった!?」

「そりゃもう。ニッコニコだったわよ」



うそ…ニッコニコって。


全然気づかなかった。


美保には、何でもお見通しなんだなあ。



「最初はミルクティー買って喜んでんのかと思ってたけど」



なにそれ…


それ、ただのアホじゃん。



「何かあったんでしょ?宇野?」

「ちちちち違うよ!」

「この話の流れで宇野じゃない理由がどこにあんのよ」



うう…


やっぱり美保にはかなわない。



「もしかして、もう宇野に会った?」

「じ、じつはね…」



私は小さな声で、浴衣を褒められたこと、今日一緒にまわることを話した。


自分の口から言うのって、なんか恥ずかしいっ…!!