好きな人が、できました。



うそ?ウソ?USO!?



「なんで嘘なんてついたの!?」

「だって、杏と宇野、くっつけばいいと思ってさ」



くっつけばって…


なんでそういう考えになるのよ!



「もーやめてよ!帰るだけなのにすっごい疲れたんだから」

「私さあ、宇野って杏のこと好きなんじゃないのかと思うのよね」



…は?


なぜ?



「だって昨日から杏にベッタリだし、気があるんだよ」

「はあ…そんなわけないでしょ」



もし、仮に、万が一、す、好きってことだとしても。


好きな相手に、あんな最低最悪な絵、送りつけてきたりしないでしょ。



「私たちももう高2だしさ、杏だってそろそろ、彼氏欲しいでしょ?」



目をキラキラさせて聞いてくる美保。


いや…べつに欲しくないんだけど…



「別にいらない。邪魔になるだけだもん」

「彼氏できたらさ、毎日学校行くの楽しくなるよ?」

「今で十分楽しいもん」



美保も同じクラスで、席も前後だし、私はそれで幸せなの。


彼氏なんて、興味もない。