好きな人が、できました。



だって、なんか宇野くんと帰りたくなかったんだもん。


綾部くんにあんなこと言われて、どうしてかわかんないけど、宇野くんの顔が見れないんだ。



「送る」

「いい。1人で帰るから」

「はあ?俺、ここまで走ってきたのに?」

「私はいいよなんて言ってないもん」



そう言ってツカツカと歩きだした。


だめ。


今、宇野くんのことちゃんと見れない。



「ちょっと杏ちゃん!」

「な、なによ!?」



急に腕を掴まれて、宇野くんのほうに向けさせられた。



「…付き合うの?」

「…は?」

「綾部と」



そう言った宇野くんの目はとても真剣だった。


どうして、宇野くんが真剣になってるのよ。



「宇野くんに関係ない」

「だー!もう!関係ないとか、どうでもいいんだよ!」



いきなり頭をガシガシやる宇野くん。


な、何事!?