好きな人が、できました。



私にとって、それはまさかすぎる出来事だった。



「美保、知ってたの!?」

「当たり前」



教室に戻って、美保にさっきのことを報告。


驚くかと思ったら、全然驚かないからこっちが驚いちゃったよ。


それに、まさか知ってただなんて。



「綾部、わかりやすいし」

「そ、そうなの?」

「杏以外の人はたぶん、みんな気づいてたんじゃない?」



そ、そんなに?


でも私、綾部くんにそんなような素振りされたことないと思うんたけど…



「で、付き合うの?」

「…へ?」

「へ?じゃないわよ。告白、されたんでしょ?」



告白って、さっき私が綾部くんにされたやつだよね…?


さ、されたけどでもっ…


付き合うなんて、まさか。


第一、私彼氏とか欲しくないし。


恋愛したくないんだもん。